過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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467:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:53:18.81 ID:rIc6JsyG0
14 死した人

目を開いた。
彼の声が、聞こえた気がした。
彼は、そこにはいなかった。
以下略



468:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:54:03.92 ID:rIc6JsyG0
彼女はそれを、自分自身のカルマであると自覚はしていたが、やはり気持ちいいものではなかった。
視線を彷徨わせている主を見て、浮屋という老人は、眼鏡を指先で上げてから問いかけた。

「どうかなされましたか? また、お加減が優れないので? 退席されますか?」

以下略



469:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:54:50.15 ID:rIc6JsyG0
そこで、彼女は自分の影が軽くざわめいたのを見た。
浮屋にばれないように視線を移動させると、椅子に座っている自分の影が、ひとりでに動き出し、奥の控え室の方を指で指した。
彼女はコホン、と小さく咳をして、浮屋に言った。

「……やっぱり、具合、悪い。休む」
以下略



470:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:55:17.64 ID:rIc6JsyG0
競りあがってきた男は、唖然としている愛寡に向けて声をかけた。

「愛姉ェ。お久しぶリデス」

奇妙にノイズがかかったその声を聞いて、愛寡は弾かれたように振り返った。
以下略



471:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:56:10.85 ID:rIc6JsyG0
功刀はそう言うと、影の中に手を突っ込んで、昏倒している青年、爪を掴みだした。

「爪……!」

小さく呟いて、愛寡は義足を鳴らしながら弟子に駆け寄った。
以下略



472:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:57:22.58 ID:rIc6JsyG0


警備員に周囲を固められた、自身の部屋に駆け込み、愛寡は息を切らしながら扉に鍵をかけた。
その影がざわめいて、爪を片手で抱えた功刀が競りあがってくる。
彼はソファーに、両手両足をワイヤーで縛りつけた爪を放り投げてから、息をついて壁にもたれかかった。
以下略



473:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:57:51.89 ID:rIc6JsyG0
しばらく沈黙してから、功刀は軽く息を吐いた。

「小姉サンが、殺されマシタ」

端的に呟かれたその言葉を聞いて、愛寡は発しかけていた言葉を飲み込んだ。
以下略



474:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:58:23.06 ID:rIc6JsyG0
「嘘! 冗談言って! 誰に? 何で? まだ、私達寿命には……!」

「殺されマシタ。体ニは無数ノ弾痕ガアッタ。ソレニ、『レ・ダード』の起動ヲ、俺は感知シました。オソラク、エリクシアの残党デス」

「『レ・ダード』……そんな……」
以下略



475:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:58:57.95 ID:rIc6JsyG0
「嘘! だって……!」

愛寡が甲高い声でそれを遮る。
彼女は過呼吸気味になりながら、胸を押さえた。
功刀が愛寡を支え、背中をさすってやりながら椅子に腰を下ろさせる。
以下略



476:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 18:59:35.85 ID:rIc6JsyG0
「そ、それは……」

「魔法兵器ハ、見つけ次第処分、ト決めたハズだ。その惨状ガ、コレだ」

功刀が視線を動かすと、愛寡の部屋に設置されていた巨大なテレビに、ひとりでに電源がつく。
以下略



477:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:00:22.33 ID:rIc6JsyG0
「お……怒らない。怒らないで……」

「怒ってマセン。ただ、不愉快ナだけダ」

「この子、優しい子。本当は、優しい子だから。だから、私……」
以下略



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