602:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:30:36.38 ID:WO2eriwB0
「会話が可能なのか? 俺の言葉が分かるか? 分かったら、返事をしてくれ」
男は、自分の顔面の半分を覆い隠しているピエロマスクの位置を直すと、無表情に少女達を見た。
そして、ボソリと呟くように口を開く。
603:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:32:10.19 ID:WO2eriwB0
ポンポンとガゼルと呼んだバイクを叩き、虹と言った女の子は、
相変わらずの無表情のまま、機械の声を借りて男に聞いた。
「名前を教えてくださる?」
604:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:33:03.11 ID:WO2eriwB0
彼は緩慢と口を動かし、体を動かそうとし、
しかし自分に両手と左足が存在しない事実に気がつく。
「何だ……これ……」
605:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:33:40.56 ID:WO2eriwB0
あの子は。
あの、太陽のように笑う子は。
どこだ……?
606:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:34:22.70 ID:WO2eriwB0
彼の必死の形相を受け、バイクが一瞬沈黙して、言った。
「……すまないけど何も知らない。俺達が知っているのは、
アンタが魔法使いの攻撃から俺達を助けてくれたって事実だけだ」
607:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:35:09.95 ID:WO2eriwB0
「名前は? ルアの黒い一族」
「名前? 今はそんなこと、重要じゃないだろ!」
「いいえ重要よ。こっちが名乗ったのに、そっちが名乗らないのは気分が悪い。
608:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:35:48.24 ID:WO2eriwB0
「さっき助けてもらったことに関して、お礼は言わないわ。
閉じ込められてたあなたを助けたのは、私達なんだもの」
「虹、やっぱりやめないか……俺の声で君の言葉を喋らせると、気持ちが悪い」
609:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:36:54.97 ID:WO2eriwB0
『上手いこと話を合わせて。こいつは使える』
『でも……正体が不明すぎる。ルアの黒い一族って何だ?
せめてそれだけでも教えてくれ』
610:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:37:35.57 ID:WO2eriwB0
『このドームにいるハイエイト達との戦いに、こいつを使うつもり?』
『ええ。使えるものは何だって使う』
『……俺みたいにか?』
611:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 18:38:16.72 ID:WO2eriwB0
ここは、このドームの中間階層に当たる。
使われていない廃墟の中に逃げ込んで、今に至る。
周囲が騒がしい。
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