689:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:34:32.57 ID:oI7jiOK60
「どこに行きますの?」
問いかけられ、彼はコーヒーカップをテーブルの上においてから言った。
「敵を倒しに行ク」
690:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:35:34.74 ID:oI7jiOK60
*
やはり、時が離れていた。
自分が記憶している時間よりも、三年は経っている。
691:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:36:54.65 ID:oI7jiOK60
いぶかしげに、少し離れた場所で
バイクに寄りかかって座っている虹を見て、
リーダー格の男がマルディに言った。
「で……マルディとやら。あの子とお前は、
692:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:37:42.05 ID:oI7jiOK60
余計なことは言わない方がいい。
無駄な争いをすることを、マルディは好まなかった。
それより現状をちゃんと認識して、
693:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:38:32.41 ID:oI7jiOK60
「しかし……一概に信じられねぇな。
魔法使いが魔法使いと争いを起こしてるなんて、聞いたことがねぇ」
「本当のことだ。俺達は、このドームにいるハイエイトを殺すために旅をしてる」
694:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:39:25.08 ID:oI7jiOK60
彼女は立ち上がると、銀に掴みかからんばかりの勢いで口を開いた。
当然、声は出てこない。
ガゼルが彼女の言葉を代弁する。
695:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:40:08.41 ID:oI7jiOK60
歯噛みして、虹はガゼルを睨むと途端、
ものすごい勢いで、喘息の発作のように咳をし始めた。
『こんな時に……』
696:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:40:44.48 ID:oI7jiOK60
しばらくして、マルディの手の中で
虹がぐったりと体を弛緩させる。
眠りに入ったようだ。
697:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:41:46.34 ID:oI7jiOK60
*
「さて……どういうことなのか、詳しく説明してもらいたいな」
銀がそう言って、長テーブルの椅子に腰を下ろす。
698:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:42:44.20 ID:oI7jiOK60
女や子供は、人間牧場や食料として加工されてしまい、いない。
しかし、どうも彼らはそれを知らないらしかった。
ガゼルは言いよどみ、言葉を飲み込んでから言った。
699:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:43:36.44 ID:oI7jiOK60
「愛寡を直に見たことがあるのか?」
ガゼルに問いかけられ、銀は首を振った。
「いや……だが、存在は知ってる。
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