712:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:52:25.13 ID:oI7jiOK60
瞬間、マルディの体とガゼルが掻き消えた。
数秒もたたずに彼らは、
先ほどマルディが投げた小石の場所に出現していた。
713:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:53:03.45 ID:oI7jiOK60
悲鳴をあげ、魔法使いの一人が地面に落ちる。
他の魔法使いが振り返る前に、またマルディの姿が掻き消えた。
先ほど石を投げた場所
714:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:53:39.47 ID:oI7jiOK60
「嫌だ」
マルディは断固としてそう言うと、
ガゼルのハッチを閉めて、アクセルを踏み込み、
魔法使い達と逆方向に走り始めた。
715:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:54:13.90 ID:oI7jiOK60
*
「へえ、それで……逃げて、帰ってきた?」
合点がいったという風に、爪は偵察隊の男の話を反芻した。
716:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:55:03.47 ID:oI7jiOK60
片手で人一人……自分よりも大きな男を軽々と持ち上げて
尚、爪は息一つ上がっていなかった。
「俺、師匠、連れてこい言われた。
俺、お前ら、殺して来い言った。俺、言った、無視か?」
717:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:55:33.63 ID:oI7jiOK60
しかしそれゆえに、人々に与えられた恐怖は甚大なものだった。
彼が本気で言っていることが分かったからだ。
人間狩りの担当官達
718:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:56:07.67 ID:oI7jiOK60
胸騒ぎがする。
それに、妙な臭いがする。
この臭いは。
嗅いだことがあるオドスの臭い。
719:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:56:41.70 ID:oI7jiOK60
怖かった。
怖かったが、師を守りたかった。
あの人は、もう自分の力では下層にいけないほど弱っていて、
周りもそれを許さない。
720:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:57:22.07 ID:oI7jiOK60
もしもの時に備えてだ。
しかし、それを使うということは、紛れもなくまた
「アレ」と戦わざるを得ないということ。
721:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/23(木) 19:57:51.79 ID:oI7jiOK60
かすかな、かすかな臭い。
だが、忘れるはずもない臭い。
あの男の臭いがしたような気がした。
979Res/589.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。