938:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:50:44.88 ID:NNs5Kzip0
おとなしく手を差し出した涙の指先に
バンドエイドを吹きつけながら、
硲は伺うように言った。
「姉さん……エリクシアが追撃してくるんなら、
これからは僕一人で全部殺す。
だから、そんなにガッカリしないで……」
「硲……」
深く息を吐いて、
涙は彼に背を向けてベッドに横になった。
「……そういうことじゃないんだよ」
呟かれた言葉に殴りつけられたかのように、
硲は黙り込んだ。
彼は歯を噛み締めて、
ドアの向こうにいるはずの泉を睨んでいた。
その瞳が段々とワインレッドに染まっていき……。
彼は、自分で自分を抑え付け、
飛び込むように、自分のベッドに横になった。
毛布を頭から被り、息を整える。
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