961:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/07(月) 17:47:03.22 ID:hlIYQLnr0
   涙の手の平が薄い白に光っていた。 
    
   更紗はきょとんとして首を振り、途端、表情を落とした。 
    
   「……そういう意味ではございませぬ……」 
    
   「いいから。あんた達は、ここで待機してて。 
   すぐに戻ってくる」 
    
   「更紗、涙の言うことを聞け」 
    
   泉がそう言うと、更紗は頬を膨らませて黙り込んだ。 
    
   「硲も。この子達を守ってやって」 
    
   涙に言われ、どうして僕が、と反論しようとした硲は、 
   慌てて口をつぐんだ。 
    
   彼は開かないドームのハッチを見て、 
   その向こうをにらみつけた。 
    
   「姉さん、何か来る」 
    
   その声にハッとして愛寡が小さくなり、震えだす。 
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