962:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/07(月) 17:47:45.88 ID:hlIYQLnr0
外に出ようとした硲を押し留めて、
涙はトレーラーの扉を開けた。
そして泉と外に出て、一見廃墟に見える巨大な
ドームのハッチ前に立つ。
泉は、二回りも身長が違う妹を、
腕組みをして見下ろしてから、何でもないかのように言った。
「ハイコアか?」
「多分。マインドシープされてる」
「厄介だな。殺すか?」
「そればっかりは見てみないとね」
「確かに」
端的に言葉を交わした兄妹の目の前で、
不意にボコッ、と直径にして五メートルはある
ハッチ全体がざわめいた。
そして、いきなり黒い濁流のようになり、
涙と泉の体を真上から覆い隠す。
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