過去ログ - ほむら「この話に最初からハッピーエンドなんて、ない」
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以下、VIPPERに代わりましてGUNMARがお送りします
[saga]
2012/02/29(水) 20:52:29.96 ID:fRW4icTG0
「人違いと言った筈よ」
「いいえ、それは嘘です。……若しくは、誤りです」
織莉子は、どうやら先程の失態を責めているのではなさそうだったが、ほむらの言質を逃してはくれなかった。
「私の顔を見た時に、ご自分で仰られましたよね? ……美国織莉子、と。私を、確かにそう呼んだ」
「……ッ」
ほむらは返答に窮する。
あの時は気が動転しており、何を口走ったかあやふやだったので、否定も出来なかった。
何より、ほむらは事実、織莉子の名前を知っている。
しかし、そうなるとこの織莉子は何を言いたいのか。
「何処かでお会いしました? 白女(はくじょ)に通っていた……? 私は生徒会長でしたが、あなたには見覚えがありません」
記憶違いでしょうか、と首を傾げる織莉子。
ほむらには、魔法少女でもないただの中学生であろうこの織莉子が、自分に対して何を求めているのか読めなかった。
「不躾で申し訳ありませんが、宜しければお名前を教えて頂けませんか? それで思い出せるかも知れません」
「……話はそれだけ?」
「え……」
ほむらは、話が長引きそうだ、と思った。
ここに居る織莉子が敵対していないのなら、今はそれで十分。
それよりも、魔女狩りが先決だ。一般人を連れていては邪魔になる。
統計上、今夜は魔女の出現率が低いが、贅沢は言っていられない。
ほむらは一刻も早く、ソウルジェムにこびり付いた不快な濁りを取り除きたかった。
「悪いけど、今は急いでいるの。話なら後にして頂戴」
言うが早いか、用は済んだとばかりに立ち去ろうとするほむら。
「ま、待って! ……待って下さい!」
「……」
逼迫した空気が、切実な響きを持って放たれた。
ほむらに恐れ慄きながら言葉を選んでいた織莉子が、声を張り上げたのだ。
これには、織莉子に対し半ば背を向けていたほむらも、僅かにだが驚いた。
「行かないで」
――懇願。警戒するほむらの予想に反して、次いで紡ぎ出された言葉は弱く頼りない。
「あなたは誰なの? 私があなたに何かしたの? 教えて!」
ヒートアップしている織莉子の心情に反比例して、ほむらの心は冷めていく。
目の前の女が、何をそんなに拘っているのか全く理解出来なかったからだ。
それよりも、グリーフシードがすぐにでも必要なのだ。
今のほむらに、他人を気に掛ける余裕など、とても無い。
況してや、その相手が不倶戴天の敵ともなれば尚更だ。
織莉子を前にして、いつソウルジェムが濁り出すかと思うと、一刻も早く去りたい。
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