過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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26:http://www.youtube.com/watch?v=aVScyOy_vQs 〜蒲公英の詰め合わせ〜[sage saga]
2012/02/18(土) 04:28:15.90 ID:pWDs8SQR0
七実はきっと無双状態だろう。そう布束は予測した。


予測は全くその通り的中する。


七実は、


「布束さん、しばらくそこにいてくださいな。なるべく弾が当たらないよう、頭を低くして……。大丈夫、すぐに終わらせてきます」


と言い残し、まずは距離的に近い廊下の左側の方向の敵へ駆けて行った。いや、『駆ける』と言うより『飛ぶ』の方がいいか。それくらい七実の移動速度は速かった。一瞬で銃口を構える15人前後の敵たちの目前に顕現する。

その戦場は布束から25m〜30mほどの距離だった為、よく見れた。


「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」


まず一人、人が斬り殺された。あまりにも速すぎる七実に虚を突かれた兵だった。顎から額を下からの手刀で両断された。血潮が銃声と弾丸の暴風の開幕の合図となった。


七実がいる場所から数々の音が聞こえた。銃声と弾丸が飛ぶ音とそれが壁と味方に当たる音、そして野太い悲鳴の合唱。

そして布束の目には飛ぶ銃弾を何ともなく避け、軽々と兵という兵を情け容赦など微塵も無く、手刀と足刀で叩き斬っている光景が映し出された。

七実と対峙する兵は、始めは闘志と対抗心と仲間を斬り殺された復讐心でに燃えたような顔で銃の引き金を引いていたが、あっという間のその表情は恐怖に塗り替えられ、その表情のまま、七実に斬り殺されていった。


「おい、どうした!? 何が起こっている!?」

「ダメです! A班との通信、とれません!」

「ちぃ、始まったか!」


反対の右方向の兵が騒ぎ始めた。開幕の合図に出遅れたのか、まだ戦闘が始まったのにわかりきっていなかったようだ。

しかし、彼らはもう戦闘が始まっているのに気づいてしまった。


「戦闘開始! 直ちに殲滅せよ!!」


その隊の隊長だろう中年らしい声の兵が、他の兵たちに命令した。

まずい。今は七実が片方の敵と戦闘中なのに、別方向から銃撃されたら布束は文字通り蜂の巣か穴開きチーズになってしまう。

―――――――――ここまでか。

布束は目を閉じた。

しかし――――トンッ、と誰かが胸を押すのを感じた。


「―――え?」

「お待たせしました。時間を取らせて申し訳ございません―――」


七実だった。

七実は、“両の手が血で真っ赤っかになった状態”で布束を曲がり角へ押し込んだのだ。




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