過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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802:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/04(月) 01:41:39.16 ID:ouorT+Ut0
「では、これで最後にしましょう。私はこの一撃で終わりです。もし、あなたがこの一撃を回避するなり持ちこたえるなりして、いつも通りに立っていられるなら、この勝負、あなたの勝利としましょう」

「……………了、解です」


すでに絹旗は満身創痍。

それでも七実は手加減しない。



「では――――――――――よろしいですか」



七実は訊いた。

絹旗はハッ、と笑って応える。




「――――――――バッチ来い」





それを聞いて、七実はたった一歩で間合いを詰める。絹旗は決死の覚悟を決め、目を見開いて迎え撃つ。

七実のあまりの速度で、風圧で砂塵が舞った。嵐の様な突風が絹旗と七実を包む。

この会場全ての人間が、この勝負の終焉を肌で感じ取った―――。

七実は絹旗に左の掌を向ける。大きく足幅を広げ、腰を落とす。この構えは―――。


「今から放つのは、あなたが真庭狂犬さんに放とうとした虚刀流の奥義の一つ………」


七実がとった構えは一の構え―――『鈴蘭』。となると、そこから繰り出される強烈な一撃は一つしかない。心臓を完全に潰す、虚刀流一の奥義『鏡花水月』。


「――――行きます」

「ぐぅ………!!」


―――動け、動け、動け動け動けッ!! 超頼む、動いてくれ両脚!!

左脚は二ヵ所、右脚は一ヵ所の骨折がある。この状態で動けと言う方が無理な話だ。だが、ここで動かなければ、一体いつどこで動けばいいのだ。

鏡花水月は左胸…心臓を壊す技。だから右に体を動かし、掌底を回避しなければならない。

だが、両足は二本とも足の裏から根っこが生えたように動かない。


―――ここで、絹旗は死を予期した。


(だめ……か!?)


否、否、否、そんな事、あってたまるか!! 諦めるな!! 諦めるな!! 諦めてたまるかってんだ!!



「ゥぉぉッ、ァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」



雄叫びを上げる。

脳の中で何かがはち切れる。頭の中で血液が高速に回転している。脳細胞が死滅する程熱くなっている。

視界の中の光景が、妙にゆっくりと動く。

虚刀流最速の奥義が、スローモーションになって見えた。




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