過去ログ - 鑢七実「ここは………どこかしら?」布束砥信「学園都市よ」
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885:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/15(金) 21:07:28.26 ID:WQVl3/1X0
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エピローグW〜地球の裏側で〜


今は丁度23時を回った所だ。もうすぐで一日が終わる。

長い一日だった。

頬にシップを張り、体中を筋肉中でバキバキにしながら、イギリス・ロンドンの某場所をイギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』所属の神父、ステイル=マグヌスは上司である最大主教、ローラ=シュチュアートに、今回の事件の報告をしていた。

口には咥え煙草をしていて、不機嫌そうにしながら、


「以上、これで以上です最大主教。時に学園都市中を走り回され、体中の筋肉が爆発しそうになるほど痛いので、ここでお休みを頂けませんか。一生分ほど」

「あらあらステイル。そんな子供じみた理由で休暇を取ろうとするべからずよ。あなたは若いんだから、年寄である私よりも働かなくっちゃだめなりけるよ」

「相も変わらず意味不明かつ壊滅的な返事をありがとうございます。どっちにしろ、僕はここで帰らせてもらう。もう眠くて眠くてしょうがないんだ」

「それは別にいいけど。時にステイル。学園都市で捕え、必要悪の教会内の牢獄に閉じ込めているオリアナ=トムソンが何か取引を持ち掛けてきてなりけるんだけど」


ステイルははぁっと参った顔で溜息をついた。紫煙が今一番大量に口から出てくる。


「そう言うのは、一番早く僕の耳に入ってくるべきなんだけどね。まぁいい。なんだ?」

「『指導者リドヴィア=ロレンツェッティの手による弱者達の保護』 を条件にイギリス清教に一時契約を結びたい…と」

「で、それをどうしたのさ」

「もちろんOKよ。オリアナ=トムソンは凄腕の運び屋だけど、同時に優秀な魔術師。戦力になる者は来るもの拒まずなりけるよ」

「そうかい。なら、話はここまでだね。じゃあ今度こそ僕は」

「ちょいと待ってなる事よ、ステイル。最期のもう一つだけ要件が存在する事よ」

「………手短に」


ステイルは嫌々聞いているそうだが、そんな態度は慣れているローラは懐から木箱を取り出し、手渡す。


「これは?」

「オリアナが、『もしもさっきの条件に足りなかったら』って言って渡してきたのよ。何か高級品なそうだけど、私が持っていても宝の持ち腐れだし、ステイルが持っていた方が良しであるかなと。休暇は残念だけど、こっちの方で我慢して欲しいなりよ」

「…………」


ステイルは黙って箱を開ける。そこには、二つの鉄の塊があった。両方共黒と黄色の装飾がされていて、ずっしりとした重量感があった。


「オリアナはそれを『筒』って呼んでいたわ。まあ、日本じゃあ古来より“そう言う物”をそう呼んできたらしいなりけるけど。オリアナ自身は、それをアメリカの魔術結社から譲った物だって言っていたわ」

「へぇ…」


ステイルは木箱からその二つの鉄の塊を掴む。見た通り、かなりの重量があった。だが、それでも持てない事は無い。


「その、魔術結社と言うのは?」

「商売相手だから組織名は吐かなかったけど、確かアメリカの先住民…インディアン系の魔術結社だって言っていたなりけるわよ。それらは彼にとって忌み嫌う存在だったからそうよ」

「そうか。なら納得だ。確かにこれを見たインディアンは、十人中十人は嫌な顔をするだろうね。いや、これを向けられたら誰だって嫌さ」


その鉄の塊の塊の形は、人々を殺す道具だった。


それは指先一本、10cmにも満たない運動で、0,01秒で人の命を狩る魔法の杖にして、悪魔の槍、死神の鎌だった。

それは世界の軍事力の殆どを担い、ある国では自分と他人を守る武器に、ある国では自分と他人を殺す凶器に、ある国ではその危険性故に禁止して排除する恐怖の象徴、暴力の権化だった。


「これの所為で彼らは故郷を追われ、今も尚、白人<侵略者>たちに支配されながら生きているからね。これはそん元凶。悪の象徴だ」


ステイルはそれのグリップを握る。それは二つ対となった武器で、ステイルはそれを両手にそれぞれ握った。


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