過去ログ - 憂「ロボットの見る夢」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]
2012/02/22(水) 19:08:20.01 ID:qLrKhwQ9o



――そうして、何でも出来る彼女は自分に出来ないことに対する一つの答えを導き出した。

その答えを導き出す過程で、自分に出来ないことは思ったよりも多いと思い知りながら、それを満たしてもらうためにも答えを求め続けた。
そして、それが実を結ぶ。


少女は『人』を創り出した。


目の前に横たわり眠る『人』に触れる。
その身体はあたたかく、少女の心を何よりも落ち着かせてくれる。故に自分が求めた答えはこれだという確信を得ることが出来た。
唯一の問題点といえば外見だろうか。参考に出来るものが自分自身しかなかったため、自分と瓜二つな外見になってしまったこと。
他に誰もいないこの世界では大した問題ではないかもしれないが、それでも少女は区別をつけたがった。彼女が欲しがったのは『自分』ではないのだから。
区別する方法を考え、少女は手を伸ばして   髪を縛った。


そうして。

5億6千7百99万3千6百秒の果てに。

少女は、求めた人に出会った。


ゆっくりと、その人の瞼が開かれる。
視線と視線が交錯した時、どちらからともなく自然と笑みがこぼれた。

少女の口は、その人に対し何かを口走った。何かの呼び名を口走った。
自分が求めたその名を、あるいは名称を口走った。

そして「呼んでほしい」と言う。自分の名を呼んでほしいと言い、名を告げ、求める。
彼女一人では出来ない、いくつかのことのうちの一つを求める。

目の前の人は、自分の名を呼んでくれるたった一人の人はそれに応え、口を開き――



――――
―――




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