過去ログ - 美琴「だって私は、姉だから」
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55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]
2012/03/03(土) 21:10:26.34 ID:1pWf3JI30


「布束……さん!」

美琴は勢いよく扉を開けた。
中にいた布束は、書類から美琴へと視線を移す。

「Oh……早かったわね」

布束は美琴に近づくと、はぁ、と嘆息した。

「かなり容態が悪いようね」

「治るわよね、この子!!」

「……まあ、今のところわからない、と答えておくわ」

「アンタ……っ」

布束は美琴の言葉を遮って、とある資料を顔に突きつけた。
美琴は布束に打ち止めを渡すとそれを読み、はっと息を詰まらせる。

「……これ、は……」

「この子の容態が悪いのは、培養機から出てしまったから、だけではないわ」

布束は、冷酷に美琴の真実を伝える。



「この子の頭の中に不正なプログラムが上書きされたからよ」



「な……っ」

布束はもう一度ため息をついて、美琴に説明を始めた。

「打ち止め。この子は本来実験に使われる予定のない個体なの」

「……?」

「20001号。それが、この子の検体番号よ。思い出してみなさい。実験に使われる予定の個体は、ジャスト20000だったことを」

「……、あ。なら……どうして?」




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