過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2
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103:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga sage]
2012/03/27(火) 03:04:32.82 ID:Y0rItiJNo

「あっ」
「制理」

途中で、後ろから抱きしめられた。

「悪い。けど……すげぇドキドキしてる」
「うん。あたしも、だよ」
「制理のいる場所に帰るって、いいな」
「待ってるのは少し、寂しかった」
「……」
「当麻?」
「そういう事を言う制理が、滅茶苦茶に可愛いよ」
「もう……」
「今日これから、怖いと思わせるようなことは、しないから」
「うん」

それはもう、二度ほど聞いた言葉だ。
自分に言い聞かせるように上条はその言葉を告げる。自制するために言葉にしているのかもしれない。
それを、吹寄は信じたいと思う。不安はあるけど、信じられないとまでは思わない。

「制理。愛してる」
「うん。あたしも」
「もう電気、消しちまうのか?」
「……ちょっと。早いわよ、まだ」

今電気を消すとなると、高校生にしては健全すぎる就寝時間だ。
まあ暗くなったところですぐに寝付くわけではないのだろうけれど。

「じゃあ今から、何する?」
「えっと、とりあえずは喉乾かないかなって」
「あー、まあ風呂に急いで入って、走ってこの部屋まで来たからな」

女子寮をゆっくり歩くような自殺行為は出来ない。
汗をかくような季節ではないが、確かに少し息があがっているらしかった。

「それじゃ、お茶いれるから」
「ん。サンキュ」
「何か食べたい?」
「え? いや、さっき制理の作ってくれた晩御飯、食べたし」
「うん。……おなか壊してない?」
「大丈夫だって」

上条が笑ってこちらを見た。まあそりゃそうだ。普段から自炊だってする吹寄の手際はそこそこまともだ。
食べて腹を壊すような料理は、狙ってもなかなか作れない。

「それじゃ、お茶を入れるから待っててね。って、あ……」

棚からお茶の葉を取り出し、水を汲もうとしたところでふと思い出した。



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