過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2
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nubewo
◆sQkYhVdKvM
[saga sage]
2012/03/05(月) 00:56:57.75 ID:Lt4OQ3a6o
上条は、のろのろとした足取りで教室へ向かっていた。
足取りが重いというよりは、時間調節のためだ。早くつきすぎると、また面倒な追及を受けることになる。
「……しかし、姫神にはいつ話したらいいものか」
誘われているのだ。一緒に男女ペア競技に出ないかと。
それを断らなければいけないが、下手に姫神を話すところを見られたら、それこそ逆の意味に取られかねない。
誤解は解けばいいだけだが、吹寄がまた嫌な思いをするだろうから、避けたかった。
自分だってきっと嫌だ。吹寄が年上の先輩と付き合っているという噂は、ガセとわかっていながら、愉快ではない。
一瞬でも吹寄を疑う気持ちが湧く自分も嫌だし、それを面白おかしく話すクラスメイトを見るのも嫌だ。
同じ気持ちを、吹寄に味あわせるのはいけないという思いがあるのだった。
二人っきりになるような場所やタイミングは良くない。やはり、教室に皆がいるときに断ることになるだろう。
そう考えながら、教室に向かう最後の曲がり角を、上条は曲がった。
「あ……」
「え? 姫神……」
驚きを顔に浮かべた姫神が、そこにいた。
「上条。君」
「お、おう」
こういうときに限って、周囲にはクラスメイトらしい気配が感じられなかった。
教室に上条と姫神が戻ってくればそれは何も起こらないことを意味するわけなので、誰もこの辺りを監視していないのだった。
そういう追う側の理屈になんて考えが及ばず、上条はこの状況に困惑し、姫神は当惑しつつも期待を感じずには、いられないのだった。
「いままで。何をしていたの?」
「え? いや……その」
「やっぱり上条君もみんなに追われていた?」
「あ、ああ」
「そっか」
困るよね、と呟いて、姫神が上条から視線を外す。
真実をつぶさに説明するわけにも行かず、確かに上条も困っていた。
「姫神も、追われてたのか?」
「うん。男子の皆が。あっちこっちで」
「あー。なんだ、男子を代表して謝る。おれが頭を下げるのも変な話だけど」
「上条君も巻き込まれたほうだから。たしかに謝られるのは変だね」
薄く姫神が笑った。すこしドキリとした自分を、上条は戒める。
なんだかいつになく柔らかくて弾んだ雰囲気の姫神が、確かに可愛かった。
「あの。上条君」
「え?」
「……その。今じゃないとちゃんと聞けない気がするから。教えて欲しい。
今朝の私の提案。上条君の返事を聞かせて欲しい」
「ああ……」
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