過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2
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53:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga]
2012/03/15(木) 02:02:09.06 ID:iLHIXR/Lo

「カミやんが姫神さんに手を出してたんです」
「え、えっ? えええぇぇぇっっ? かかか上条ちゃん?! そ、そんなの」
「おい! ち、違いますよ先生! 誤解です!」

純粋な驚きを浮かべてすぐに、教え子に裏切られたような顔をしながら見つめる小萌先生に、上条は慌てて弁解する。
なにせ、この先生はほぼ付き合い始めの頃に、二人の、つまり上条と吹寄の仲を知っているのだ。
その上条が姫神に手を出したとなれば、それは確かに酷い出来事だろう。

「な、何かの間違いですよね?」
「コイツラの勘違いです!」
「だって上条ちゃんは今――」
「え? 先生?」
「! な、なんでもないです!」

何かを感じて聞き返した青髪に対し、小萌先生が慌てて態度を取り繕った。

「先生! やっぱりカミやんの事知ってるんですか?!」
「べべ、別にそういうわけでは」
「小萌先生って嘘が下手ですね」
「お、教え子に嘘をつく練習なんてしていませんから! ほら、そろそろ席に戻るです!」
「まだ休み時間やし、大丈夫ですよ先生」

困った目で、上条が吹寄を見た。それに気付いてまた吹寄は嫌な気持ちになった。
早く、授業が始まれば良いのに。

「なんか青髪ってやっぱりツメが甘いよねー」

後ろに座ったクラスメイトの女子が、半ば独り言のようにそう呟いた。

「……」
「結局姫神と付き合ってるって線はガセなのかねえ。ね、アンタはどう思う? 吹寄」
「あたしがああいうのに興味ないって知ってるでしょ」
「まあね。今のは話の枕ってヤツよ。本題は別」
「何?」

ゆっくりと、クラスメイトを振り返る。
顔を見るとニヤッと口の端を吊り上げていて、意地が悪い感じ見えた。

「アンタは誰とイチャイチャしてたわけ?」
「えっ――?」

思わず、動揺してしまった。そしてそれを悟ったクラスメイトが、さらに笑みを深くする。

「当たりか。で、やっぱ相手って噂になってる3年の先輩なわけ?
 私は好みってほどじゃないんだけど、カッコイイって評判はかなりあるよね。ぶっちゃけ、どうなの?」

さあっと、浮ついていた心が冷えていく。
噂になっている3年の先輩とやら自体に、吹寄は覚えがない。
そんな誰かとの間柄は話題になっても、一向に、一番惚れている相手の名前は出てこなかった。

「……あたしはそんな人、知らない」
「アンタもシラを切るの?」

はあっと、ため息をついた。そういう露骨な態度を取るのは、吹寄にとって珍しい。



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