過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2
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70:nubewo ◆sQkYhVdKvM[sage saga]
2012/03/15(木) 21:33:59.45 ID:iLHIXR/Lo

「……楽しいね」
「歩いてるだけだろ?」
「当麻は、つまらない?」
「そんなことねーよ。なんか、幸せだなって」
「あたしも、そういう感じ」
「ちゃんとデートもしないとな」
「うん。変な順番になっちゃったわね」
「だな」

悪いのは、変な薬をそのまま市場に放出した学園都市だ。
でも、自分たちをくっつけてくれたのもこの薬だ。
二度と飲む気はないが、本当に奇妙な縁があったものだと思う。

「さて、着いちまったな」
「うん」

見慣れた、自分たちの学生寮。
人目を注意深くしのんで、上条を女子寮へと誘う。
吹寄の部屋のドアを明けるまでのドキドキした時間を楽しんで、そっと、二人きりになれるその空間に、体を滑り込ませた。

「おかえり」
「ただいま。……貴方のへやじゃないわよ」
「だな」
「おかえりなさい、当麻」
「ただいま」

二人でおかしそうな顔をして、見つめ合う。
待ちきれないように上条が髪をなでると、吹寄がまぶしそうな顔をした。

「荷物、こっちにおいて」
「おう」

キッチンにスーパーのレジ袋を置いて、今日使うもの以外を、冷蔵庫にしまっていく。
コートを脱いで、吹寄に手洗いうがいを指示されて、ようやく、上条は一息ついた。

「お茶、飲む?」
「んー」

肯定とも否定ともとれない返事をしながら、上条はこちらを見つめる吹き寄せに手招きをした。
座っているのはいつもどおりベッドの上だったから、少し吹寄が恥ずかしそうな顔をするのが分かった。

「……何?」
「隣。座ってくれよ」

お茶よりも、吹寄とくっつきあうことで落ち着きたかった。
隣に座った吹き寄せが何も言わず、上条の肩に重みをあずけた。

「好きだよ。制理」
「あたしも。当麻が大好き」
「晴れて恋人同士だな。クラス公認の」
「すぐ別れるのだけは、絶対に嫌だからね」
「……長く付き合ってからならいいのか?」
「長い関係になったら、結婚するからいいの」

上条はドキリとした。吹寄の口から、結婚なんて言葉がでてきたから。
そして、その言葉に嬉しくなった。自分だって、同じことを考えていた。

「制理」
「ん……」

吹寄を抱き寄せて、深い口づけをした。
時間を開けてキスをすると、毎度吹寄ははにかんだ顔を見せる。
それがたまらなく可愛かった。

「制理。何をして欲しいんだ?」
「……キス」
「どこに?」
「どこって、口に決まってるでしょう」



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