102:ブラジャーの人[saga]
2012/03/23(金) 00:33:21.40 ID:X7cwmj8Z0
「殿下―!! それは今日の夕食に使うんです返してぇぇぇー!」
「わーはははははこれは僕のオヤツにする! 夕ご飯までにはまだ時間があるからなんとかしろー!」
「だったら食費をくださーい!」
「そこをやりくりするのがお前達の」
「仕事だー」というセリフを響かせ、豚一匹分はあろうかという肉を抱えた少年が、一方通行達の横を一陣の風のように通り過ぎていった。
八秒も遅れて、コック姿のタマネギがヘロヘロになりながら追いすがる。肉泥棒と思わしき少年は、もう影も形も見当たらない。
人間離れした脚力だった。
「あぁ、ま、またやられ、た…」
「おい、お客様の前で恥ずかしいじゃないか。どうして殿下がいるんだ? イギリスの外交官と話してるはずじゃ?」
「ぜぇぜぇ、なんか中佐も一緒に来てて、ぜぇ…、あっというまに話を纏めて終わっちゃったらしいんだ」
(殿下ァ?)
(今のお肉抱えた人が?ってミサカはミサカは今日の夕飯の心配をしてみたり。ご飯もここでお世話になるんだよね)
一番に会わなければならないこの国の少年王が、さっきの肉を抱えた人影だというのか。日本からの客人二人は、思わず顔を見合わせた。
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