156:ブラジャーの人[saga]
2012/03/30(金) 17:35:03.40 ID:7wzoBWH80
「緑って……。なンの肉だよ、コレ」
「ただのパタフィンクス料理だが? マリネラでは有名ですよ」
「……原料は?」
「パタフィンクス」
なんだそれは。スフィンクスの仲間か。
「窓から見えるだろう、あの峰が。パタリロ山に住む、人面四足の獣、パタフィンクスの肉だ」
食べる気がしない名称だった。
人を食ったようなこの国王の冗談だとは思うが、掴めないだけに口に入れるのを躊躇う。
人面とかスフィンクス云々はともかく、実はとんでもないゲテモノの肉かもしれないし。
「時々人を襲うので、定期的に狩猟部隊を結成してるんだ。今日は僕一人で捕って来たのだ」
「どれどれ……。うん、色は怖いけどおいしーよあなた、ってミサカはミサカは異国の味に感動してみる」
「オマエ少しは学べよ」
つわりもすっかり過ぎ去り、とにかく食べたい妊婦の打ち止めは、不気味さなどに負けていられない。嬉々としてナイフとフォークを操った。
「っふふ、大丈夫だよ。ただの牛肉だってば」
「ソースに、すりおろしたアボカドを使ってるんだったか」
黙っていたマライヒとバンコランも手を動かし始める。やはりパタリロの、ただの冗談だったらしい。
二人にとってはお馴染の料理なので、一緒になって客人の反応を楽しんでいたのだ。彼らも人が悪い。
そんな両親に育てられたせいなのか、それともそういう資質が元からあるのか、フィガロまで空気を読んで食べるのを待っているとは。
(ここは、俺には過ごしにくいところだ)
一方通行も不機嫌を隠さない表情で食べ始めた。緑の肉は、とても旨かった。
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