過去ログ - とある未来の通行止め その3
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273:ブラジャーの人[saga]
2012/04/14(土) 22:14:16.85 ID:SpLNYcrL0

マリネラの静かな夜空を、純白の羽と、黒い羽が舞う。白い輝きを、黒い闇が追っていた。

時々、距離を詰めた一方通行が背中の翼を振るって攻撃を繰り出す。上から落とし、横から薙ぎ、下から切り上げる。
ミカエルはそれを避け、白い翼で防ぎ、払う。

接触はもう二十回を超えた。

「待てこの糞野郎ォォォォ!」
「天使に向かってなんて失礼な! 落ち着いて一方通行くん、君は何か大変な思い違いをしているよ!」
「俺が知ってることが本当ォというだけで、オマエは俺に百回殺される理由があンだよ!」
「そうそう、どうして僕が打ち止めさんの裸を見たことを知ってるの! 誰から……、あぁぁぁああ!?」

(ゲームに夢中になっている時点でそうは言えないが)お上品な天使から、彼らしからぬ大声が響く。


「分かった子供だね!? 君、赤ちゃんから変な聞き方したんじゃない!? しまったアッチには『口止め』してなかった……!」
「はァ? 何言ってンだ」

「子供」「赤ちゃん」と聞いて、やっと一方通行の追撃が収まった。
一方通行がなぜ誤解しているかの原因が見え始め、ミカエルは空で地団太を踏む。

「そっちが助けて、って言うから助けたのにこの仕打ち! まったく君は自分の子供にどんな教育をしてるんだ!」
「だから訳分かンねェこと言ってンなよ。胎児にどォ教育しろってンだ」

ミカエルは後ろを振り向き、本当に意味を分かっていない一方通行の表情を見た。全身も向き直り、首を傾げ、怪訝さを表して訊く。

「…………もしかして、今日初めて赤ちゃんと喋った?」
「??……」
「………あっそう……」

ミカエルと一方通行は、この追走劇が終わりを迎えたことを悟り、飛翔のスピードを下げながらマリネラ宮殿の方へ進行方向を変えた。



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