過去ログ - とある未来の通行止め その3
1- 20
8:ブラジャーの人[saga]
2012/03/08(木) 00:32:58.20 ID:36IvKIcU0

不思議なものだ。芳川に頬を叩かれ、黄泉川に殴られ、御坂美琴には蹴りを食らった。下位個体達には、(いつもより)刺々しい言葉で非難と嫌味を言われたのに。
番外個体だけは、彼女にしては非常に稀有である、不安そうな表情で佇んでいるだけ。

「明日、先生に診てもらうんでしょ?」
「あァ。俺が能力で走査した限りでは、腹のガキに異常は見当たらねェがな」
「今はね」
「……」

番外個体の声が、いつもの……、いや、いつもより険がある。

「最終信号は、大丈夫なんだよね!?」
「そうだ」

間髪いれずにそう答える。会話の間に、番外個体は一方通行のすぐ傍まで近づいてきて、ブランカの首に腕を回し、床に膝をついた。
ブランカは青年を見上げているが、彼女は犬の毛に頬を埋めて視線を下に落としている。
 
今度こそドアを開ける。愛犬の頭を撫でるついでだ。番外個体にも、少しだけ……

「じゃ、もォ行くぜ」

青年が姿を消した後、一人と一匹は、しばらく玄関でくっついていたが、やがてじっとしていられなくなった犬が番外個体の腕から逃れ出る。
ブルブル体を振って、元気のない彼女を励ますように「あう」と鳴いた。

「……ふぅ。今日は二人で上の部屋に行こっかー? どうせ黄泉川と芳川もお姉ちゃんのことで頭いっぱいだと思うけどね」
「わんっ」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
620Res/420.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice