5: ◆tMXUWfc6dfaK[sage]
2012/03/14(水) 21:37:24.33 ID:UDWic1vAO
切っ先がはじき合う。
翔「な、なんでだよ。ユーゴはゴーデスナイトなんだぜ? なんで押されるんだよっ!!」
パール「はっ!!」
土を蹴り上げて目眩ましをする。
その戦い方に気品も美しさも無い。
型にはまった剣技ではーーお上品でお上手な剣技では無い。
獣じみて、生きる為に必死で、呼吸方など考えていない剣技だ。
細剣が右手を貫通する。すぐさま抜き、その傷口を狙い蹴りを放つ。
俺(む、不味いな)
勇吾「スラッシュっ!!」
高速の連撃が放たれる前に割って入る。
俺「っう!! なかなか痛いなこれは……」
腕と横腹を四分の一程、裂かれる。どうやら庇ったことによりクリティカル判定を貰ったようだ。
頭上の赤いバーを見ると八分の一程減っていた。
勇吾「う……そだ……ろ?」
俺「……ふん、俺はこの村の長に用があるだけだ」
パール「主!! 今すぐ怪我の回復を!!」
俺「いい。既にはじめている」
沈黙が村を包む。
パール「……私がでしゃばったから……」
俺「なんだ? まだ気にしてるのか」
パール「し、しかし!!」
俺「……お前はこの一年。俺に一万回殺されて、俺に一万回なぶられた。その強さに自信を持て……」
パール「それは……私が強くなりたいから仰ったことであり……」
俺「あやつが異常で身の丈にあっていない強さを持っているだけだ」
パール「…………主、私は強くなったか?」
敬語が外れ、媚びたような甘えたような声音を出す。
頭を撫でて肯定してやる。
俺「あぁ、少なくともアークを一人で倒せるくらいにはな」
パール「っ!!」
辛くても死んだとしても泣かなかった少女は一年ぶりに大粒の涙を零しはじめた。
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