過去ログ - 勇者「火と剣とを以て」傭兵剣士「我が命尽きるとも」
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1:1 ◆ItNEKgTFQ.[saga]
2012/03/16(金) 17:37:55.22 ID:iEu3KWcM0

――とある平原

勇者「――止まれッ!!」

勇者は右手をサッと軽く掲げて、後続の騎兵たちを静止させる。
副官の騎兵隊大尉が、ホイッスルを吹いて、騎兵隊全体に合図を送った。

馬のいななきが連なり、騎兵隊が停止するのが見える。
勇者直属のピストル騎兵中隊百騎である。
黄色い揃いの制服より、『黄色中隊』と仇名される彼らは、
揃いの鞣革上着(バフコート)を制服の上から纏い、鳥の羽飾りが付いた鍔広の帽子を被って、
各々二丁の歯輪式短銃(ホイールロックガン)と、S字型の柄のついた騎兵用長剣で武装している。

歯輪式短銃は、最近、『大陸』で出回り始めた最新式の拳銃である。
発条仕掛けの歯車と火打石を擦り合わせる事で火花を出し、火薬に引火させるタイプの発火機構を備えた銃が『歯輪式』だ。
値段は些か張るが、火縄銃(アーキュビュス)と違って火縄を必要としないので、
闇の中で敵に気取られる事も無いし、より天候に左右されにくくなっている為、騎兵や猟兵(狙撃兵の一種)には好まれていた。

勇者「大尉、遠眼鏡を」
大尉「ハッ!!」

傍らに馬を寄せて来た黄色中隊指揮官である大尉(以下、黄色大尉と呼称)の手より、
勇者は遠眼鏡、すなわち望遠鏡を受け取った。

そうして、平原にも幾つかある緩い丘陵の内、手近なモノへと一人馬を進め、
そこより、彼方へと目を遣った。蒼穹の果て、地平線の向こうを見た。

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