過去ログ - インデックス「当方に迎撃の用意あり」
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268:――――[saga]
2012/05/20(日) 22:05:13.27 ID:zQfIGP0D0

「気が付いているかい、インデックス? 君が一切の警戒心を解き放って、この僕を、この距離まで近づけたのは、これが初めてのことなんだよ」


ステイルの声色に“予定調和”の響きが織り込まれているという、直視しがたい事実だった。


「君へのプレゼントは、『ゴルゴンの眼』という霊装だ。ご存知かな?」


首元から下げたネックレスを、見せつけるように眼球の前に持ってこられた。
鎖の先に人間の眼球を模した、吐き気を催す純銀のパーツ。
ステンドグラスから差しこむ薄陽を照り返すそのかたちは、息を飲むほど美しく、そして不気味だった。

ご存じ、ないわけがない。
そういう皮肉を返すことも、今のインデックスにはできなかった。

『ゴルゴンの眼』。
古代ギリシャの魔術結社で使用されたという拘束霊装だ。
「見る」、「聞く」、「考える」、「生命を維持する」以外のあらゆる動作を封じる強力な拘束具。
発動条件の緩さに見合った簡素な解除条件を持つが、記録の棚から引っぱり出した資料によれば、


「この『眼』が優秀なのは、拘束された本人が外すことは絶対にできないという点だよ。まさしく、今回の“仕事”にうってつけの道具だ」


違う。
心の中だけで首を横に振った。
そんな台詞が聞きたいのではない。


「どうして僕がこんなことをするのか、かな?」



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