過去ログ - 少女「それは儚く消える雪のように」 2
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319:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/02(月) 19:48:47.31 ID:6Wpsnxgd0
本部局長の駈が、女性職員を伴って歩いてきた。

彼は趣味の悪いサングラスの位置を指先で直すと、
医師達を見回して、それを軽く鼻で笑った。

「研究員がこんなところで何をしている。戻りたまえ」

低い声を聞いて、担当医が強く歯を噛む。

彼はまだ数秒迷っていたが、やがて諦めたのか、
肩を落として周囲に指示をし、
足早に部屋を出て行った。

絆は気が抜けたように松葉杖に寄りかかり、
まだ目を閉じている圭の頭を撫でた。

「おい、医者は帰ったよ。手を離せ」

しかし圭は手を離さなかった。

自分の服の裾をつかんでいる彼女の手を
握り返してやりながら、絆は駈を見た。


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