過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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10: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/03/24(土) 18:42:15.43 ID:HKWzWsc10
「だからこそ、ゆまちゃんに聞きたいの。サタニック・ラプソディーの元凶を倒した貴女に。
 一体、どうすればあのバイドを倒すことができるのかを、ね」

そういうことだったのか、と。ようやくゆまも納得したようだった。
それから少し考えて、どこか自信なさげに、頼りなくだが呟いた。

「あの時。レーザーもミサイルも全部あの敵には通用しなくて。それでも必死に戦ってたんだ。
 そうしたら、フォースが敵に乗っ取られちゃって。それでも必死に戦って……」

忌まわしい戦いの記憶。思い出すだけでおぞましく、心の奥の古傷が掻き毟られる。
それでもそれは、長い暗黒の森での眠りを経ても尚、忘れようのない記憶として刻まれていた。
だからこそ、ゆまはそれに思い至ったのだ。

「そうだよ。フォースだ。フォースは乗っ取られちゃったけど、それでもまだ生きてて。
 フォースに溜まったエネルギーを中から開放させて、それであいつをやっつけたんだ!」

どこか興奮したような口調で、ゆまが戦いの記憶を語る。
どんどんと思い出されていくそれは、ゆまの人間としての最後の瞬間にまで続いていて。

「それで敵はやっつけたんだ!でも、まだあの光は生きてて、追いかけてきて。
 それでゆまは逃げようとして、でも逃げ切れなくて、地球が見えてきて……それで、それで……っ」

「ゆまちゃんっ!もういいわ。もういいから……だから、落ち着いて」

やはりその記憶は、幼いゆまにとってはトラウマ以外の何者でもない。
震える声で、恐らく顔が見られたのならそれを蒼白にさせて言葉を放ち続けるゆまを
慌てた様子でマミが制した。

「……ぁ、ごめんね。おねえちゃん。……でも、ゆまは思い出したよ。
 フォースが必要なんだと思う。あの敵を倒すためには、きっと」

落ち着かない呼吸を堪えて、なんとかゆまはそう告げた。
人の身体を捨てたとて、人として生きてきた時間の記憶は拭えない。
その鋼の身に宿した心臓は激しく脈打って、金属質の肺はやけに呼吸を荒げてしまっていたのだ。


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