過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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320: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/04/27(金) 22:22:01.45 ID:6LJg6SVs0
「ありがとう、まどか。……ねぇ、まどか」

そんなまどかの力強い姿に、スゥの胸がどきりと跳ねた。
鋼の機体に宿した心臓が、その鼓動が一つ、上がったような気がして。
溢れ出る感情を、抑えることができなくなった。
在らざるものの、それでも繋がるその手の暖かさが、胸の内に染み入って。
戦いの最中だというのに、スゥはもう、そうせずにはいられなかった。
きっとその思いは、まどかとの再会を果たしたそのときからずっと、はち切れそうに膨らんでいたのだ。

それが今、胸中を埋め尽くした思いが、溢れ出してしまった。

「こんなこと言ったら、変だって思われるかもしれない。でも、抑えきれないんだ。
 好きなの。……まどかのことが、大好き」

胸の中に宿った小さな思い。打ち明けることもなく、理解されることもないであろう小さな思い。
けれどそれは、長い別離の時を経て、どんどんとスゥの中で大きくなっていった。
会えないからこそ会いたくて、会えないからこそ恋焦がれて。
その思い、どこまでも途絶えることがなくて、今。スゥの心から溢れ出してしまった。
それはそのまま口をつき、素直な言葉になって表れた。

「助けに来てくれて、会いに来てくれて……本当に、本当に嬉しかったの」

きっとその瞳からは、ぽろぽろと涙が零れていたことだろう。
それを知ってか知らずか、その涙を拭う手があった。
その手は優しくて柔らかくて、そして暖かかった。スゥはその手を知っていた。
それはまどかの手であった。
触れ合うほどに近しい魂だからこそ、在らざるその手は在らざる者に。
スゥの心に触れることができていた。


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