過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/03/24(土) 18:38:40.18 ID:HKWzWsc10
「そんな……あれでもダメだなんて。やっぱり……ダメなの?バイドを倒すことは、できないのかな」
震える手で、震える声で。
それでも尚、と足掻き続ける英雄の、友の姿を見つめてまどかが言う。
「……最後まで彼女は戦うだろうね。例え敗れて死ぬとしても、その最後まで」
隣に並ぶキュゥべえの、声。
けれどその声は、まどかの知るどこか無機質で感情の色の見えない声ではなかった。
まるで、何かを待ち焦がれているかのような、隠しきれない愉悦が漏れているような。
「ねえ、キュゥべえ。どうして……どうしてあなたは笑ってるの?」
そして、その口元には……笑み。
まどかが恐る恐ると尋ねると、キュゥべえは驚いたように顔を上げた。
「……笑っていたかい、ボクが?」
「うん、なんだか……すごく楽しそうに笑ってる。ねえ、どうして。スゥちゃんがあんなに必死に戦っているのに。
どうしてキュゥべえは、そんな風に笑っていられるの。……私には、わからないよ」
「そうか、ボクは笑っていたのか。……バイドがボク達に与えた、憎悪という名の感情は
巡り巡って、さまざまな感情を今のボクにもたらしているらしい。……きっとこの感情は、こう言うのだろうね」
そう言うと、キュゥべえは静かにその目を細めた。
軽く、その耳が揺れて。
「きっと、感慨深いのだと思うよ。長かった。
本当に……ここまで辿りつくのに、どれだけの時間を費やしただろうか」
そして、キュゥべえはまどかに振り向くと。
さらにその表情の笑みを深めて、こう言った。
「心配はいらないよ、まどか。全人類のバイドとの戦いの歴史は、今日、この日のためにあったんだ」
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