過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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257:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 19:03:42.72 ID:GdeuJPpjo

 朝の日の光が、カーテンの隙間から射し込みネグリジェを温めて、わたしはいつものように目を覚まします。
 何年も繰り返したことですが、その時に感じるすがすがしさは変わることがありません。
 ベッドを抜け出して顔を洗った後は、朝の分の食事に加えてお昼の分の食事も用意します。
 今日は出かける用事があるのです。

 ランチを詰め込んだバスケットを持って家を出ると、町の全てが見渡せます。
 ここは町から離れた丘にある一軒家です。
 町はいつものように綺麗で、離れていても生き生きとした雰囲気が伝わってくるようでした。

 しばらく歩いて町に入ります。
 目的地はもう決まっているので、足取りに迷うことはありません。
 通りを一直線に進み、途中でお花屋さんに入ります。
 それから、小さな花束を買って店を出ました。

 その頃には町に人がちらほら見えるようになりました。
 わたしは皆と視線を合わせないように若干目を伏せるようにしました。
 ひそひそ声が聞こえます。こちらをちらちらとかすめる視線も。
 先ほどのお花屋さんの、腫れものを扱うような態度がなんとなく思い出されました。

 町の真ん中を抜ける通りを歩き切ると、人通りがぱたりとなくなりました。
 そこには生きる者の気配はありません。ただ、死者の沈黙のみがありました。
 どこかさびしい風がさわさわと吹いているのを感じます。
 そこは集合墓地です。

 ある墓標の前でわたしは立ち止まります。
 その下には、彼が眠っています。



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