過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
1- 20
258:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/25(金) 19:04:17.45 ID:GdeuJPpjo

 花束を墓標の前に置きます。
 それから黙祷。口をきゅっと結んで、いくつか近況報告をした後、愛しています、と締めくくります。
 墓地に満ちているのは、やはり何者かが黙りこくっているような不思議な沈黙で、しかしわたしはそれをどこか心地よく感じていました。

 彼が亡くなって、もう八年ほどになるでしょうか。
 そのとき彼は病の床にあり、大変衰弱していました。
 彼には両親が遺した幾ばくかの財産がありましたので困窮はしていませんでしたが、その財産を狙うよからぬ輩もいました。

 彼には亡くなった両親以外の親類はなく、わたし以外に力になってくれる人はいませんでした。
 わたしが、彼を守るしかなかったのです。

 かつて。
 わたしは悪魔に心を捧げました。
 得たものは彼が亡くなるまでの平穏な暮らしです。
 それはとてもあたたかく、わたしは後悔を覚えたことはありません。
 ではしかし。失ったものはなんなのでしょう。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
318Res/300.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice