過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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62:ほいッスる ◆2PnxfuTa8.[saga ]
2012/03/27(火) 06:31:03.55 ID:KBELfOe60
「驚きましたか?」

「えと、その……」

「私達悪魔憑きは半ば死人です
 だから体温が常人に比べて低い、サーモグラフィーなんかで見ればそれと解るくらいにはね」

「そうなんですか……」

「魔術でごまかしているものも居ますが私はそういう術はどうにも苦手でしてね
 寝る時には冷えて仕方ない
 だから湯たんぽの代わりには貴方は丁度いいかもしれませんね
 寝ている時にまで働かせるというのは少々酷ですが」

「私は……構いません」

「おや、そうなんですか?」

 寝ている間のことだからどうせ気にならない、程度の意味だろうとブギーは解釈した。

「ではありがたく使わせてもらいましょうか
 これはお酒ついでの話なので眠くなったら寝て結構なので聞いてください」

 グラスを左手に、クラインを右手に抱き寄せてブギーは話を続ける。

「我々悪魔憑きの多くは“人間ではたどり着けない願い”を叶える為に契約しました
 巨万の富、不老、強靭な肉体、幸運、憎い相手への復讐
 いずれも契約した者にとっては“人間のままでは叶えられぬ願い”
 そんな願いにイヴィルベリルが反応して契約の座へと素質有る人間を招くのです」

 クラインの息遣いが伝わる。
 子供だからこその暖かな熱も、大きな鼓動も。
 細い腕は強くつかめば骨まで折ってしまいそうだ。
 蟲を飼う地下室の淫靡で甘い香りがまだ残っている。
 危うい。
 ブギー自身の理性が。
 今此処でこの美しい花を散らせば彼女はどんな顔をするのだろう?
 親に売られ傷ついた心に見えた一筋の希望を断ち切れば彼女はどんな顔をするのだろう?
 倒錯的な妄想が彼の胸を埋める。
 悪魔以上に悪魔である自らしか頼れるものは居ない。
 自らに傷つけられてもその傷を愛情の証明と思い込み健気に生きるのだろうか?
 私の醜い欲望を愛情だと思い、彼女は私という悪魔を愛することで自らを保つのだろうか?
 自らが下衆であることは彼とて理解していた。
 しかしそんな妄想を止められないのは目の前のクラインが愛らしかったからだ。
 もしこの手で傷つければとても良い涙を流す。
 しかし理性がそれを押しとどめる。



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