過去ログ - 結標「貴女なんて」白井「大嫌いですの」
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[saga]
2012/03/25(日) 15:58:15.07 ID:twYxcOcAO
〜4〜
佐天『とうとう御坂さんも彼氏持ちかあ……やっぱりクリスマス間近ってそういうムードになっちゃうねー』
初春『さ、佐天さん!白井さんの前でその話題はNGだって口を酸っぱくして言ったじゃないですかー!!』
白井『――良いんですのよ初春。わたくしがいちいちそんな事で取り乱して暴れ出すとでもお思いですの?』
さっそく件の殿方とデートに行かれたお姉様を除いて、わたくしと佐天さんと初春は行き着けのファミレスに集まりましたの。
一人欠けた鼎談、一人足りない空席、その穴を埋めるように佐天さんがお姉様の分まで良く喋りますの。耳が痛いくらいに……
白井『……今でもあの類人猿がお姉様に相応しいなどと思いませんが、わたくしにそれをどうこう言う権利もとやかく言う資格もありませんのよ?初春』
初春『資格とか……権利だなんてそんな』
白井『……まあわたくしに出来る事と言えば、あの類人猿が万が一お姉様を泣かせたりなどしたらば月に代わってお仕置きする程度の事で〜す〜わ〜♪』
本当は、あの殿方の名前を聞く度に耳が、お姉様の笑顔を見る度に心が、痛くて辛くてたまりませんの。
……ですが、わたくしはそれを顔に出しませんの。そのための白井黒子(えがお)の仮面なんですのよ。
道化師のメイクの由来は御存知でして?あれは愛する者を自らからの手で殺めた者の泣き笑いでしてよ。
生憎とわたくしは愛する者を殺めなければ愛情表現出来ないほど歪んでなどおりませんが、ただ一つ……
佐天『ほらね?白井さんはこんな事でヘコんだりメソメソしたりするような人じゃないって言ったでしょ』
初春『………………』
佐天『腫れ物触るみたいに避けて通ったりする方がかえって白井さんに失礼だって。そうだよね白井さん』
白井『そうですわ佐天さん。だいたいそんな事で打ちのめされていては、相部屋のお姉様ののろけ話など』
佐天『聞いてられませんよねー!んでんで、どんな話するんですか?御坂さんの恋バナとか興味ある〜♪』
お姉様が思い、感じ、考えて下さるほどにはわたくしは真っ直ぐでも綺麗でも美しくもございませんの。
歪む愛情、うねる恋情、淀む思慕、捻れる恋慕、お姉様には見せられない、仮面の下のわたくしの素顔。
―――眼球まで涙に溶けた、ドロドロに煮凝った素顔―――
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