過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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187: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/11(金) 02:34:54.57 ID:Lb8eNkgno


 両親を喪った交通事故。
 キュゥべえとの契約で生きたいと願い、自分だけ生き長らえてしまったこと。
 遠縁の親戚と折り合い悪く、見滝原で独り暮らしてきたこと。
 魔法少女として魔女と命を懸けて戦ってきたこと。

 五分ほど掛けてマミは語り終えた。
 人に語るのは初めてだが、涙は出なかった。淡々と、詰まりもせずに話し続けられた。
 すべては過去。何十回、何百回と枕を濡らした夜も、気付けば随分と昔のように思える。

「そう……だったの……」

 命が、どうにかといった感じで一言だけ発した。
突然過ぎて何と言ったらいいのかわからないらしい。
 どれだけ待っただろう、心の整理がついたのか、命は口を開いた。

「でも、どうして私なんかに、こんな大事な話を?」

「何となく、でしょうか。誰かに聞いてほしかった……いいえ、夕木さんが優しかったから、
つい甘えてしまったんだと思います。ごめんなさい。こんな重い話、聞かされても迷惑ですよね?」

 不安げに反応を窺うマミに、命はゆっくりと首を横に振る。
柔らかな光を放つ眼も、唇の狭間から覗く形の良い歯も、今は隠して。

「ううん、とんでもない。嬉しかった。私を信用してくれて話してくれたことも、
私を助けてくれたヒーローが、とっても立派な人だったのも」

「立……派? 私が、ですか? それにヒーローって……」

 きょとんと目を丸く、首を傾げて、次々に質問をするマミ。



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