過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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188: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/11(金) 02:37:17.90 ID:Lb8eNkgno

 命は軽く苦笑して続けた。

「ほんとはね、最初にあなたに助けられたと知った時、警戒したの。
だってそうでしょう? 女の子が、あんな恐ろしい怪物と戦う力を持ってるなんて信じられなかった。
理解してからも、きっと普通の人間と根本から違う、もっと何か超然とした存在だと思った」

 マミは答えられなかった。
 昨夜までなら、面と向かって答えられただろう。
 自分はあなたと同じ人間だと。
 だが、魔法少女の生命の在り方に疑問を持ってしまった今となっては不可能だった。
 
「でも違った。話してみて、よくわかった。
あなたは普通の中学生……って言ったら失礼かもしれないけど、心は普通の女の子。
ちょっと寂しがり屋な、普通の――」

 戸惑うマミの頭に、そっと手のひらが乗せられ、温かい手は金髪を優しく掻き撫でる。
マミがしてくれた行為と厚意を、そのまま返すかのように。

「なのに私を助けてくれた。怖くて辛いのに、それでもなお人の為に戦えるあなたは魅力的だわ。
鋼のように揺れない心の正義の味方よりも、よほどね」

 初めてだった。こんなふうに自分の弱さを魅力的だと言われたことは一度もなかった。
それ以前に、魔法少女の事情を誰にも明かしたことがなかったから。

「だからあの娘たちも、昨日今日出会ったばかりでも、あなたを慕ってるのね。
あれは単に命を助けられたからってだけじゃないと思うわ」

「そうなんでしょうか……」

「ええ。あなただって彼女たちのこと、まるで妹みたいに気遣ってるように見えたけど?」

「妹みたいに……」




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