過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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262: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/28(月) 03:00:04.13 ID:JqNzRaySo

「私って、昔から何の取り柄もなくて……これから先ずっと、誰かの役に立つこともないまま、
人に迷惑ばかりかけていくのかなって、そう思ったら凄く嫌で……」

 鋼牙は何も言わなかった。じっと黙して続きを待っている。
 取り留めのない想いを、ゆっくりと言葉に変換して紡ぐ為の時間。そう考えたら沈黙も悪くない気がした。

「ずっと考えていたんです、昨日のこと、今日のこと……。
私を助けてくれた二人は眩しかったんです。それでキュゥべえに素質があるって言われて、
同じことが私にもできるなら、私やさやかちゃんを助けてくれたみたいに誰かを守れたなら。
きっと、これ以上嬉しいことはないだろうなって……」

「だが――」

「命懸けだってことはわかってます! 今日の戦いも、とっても怖かった。でも、私……」

 だとしても憧れは止めらない。
 それで望む自分に成れるのなら。
未だ迷いは晴れないが、その為なら戦いを受け入れてもいいとすら思い始めていた。

 甘いと怒られるだろうか。現実を知らないと笑われるだろうか。
いや、彼なら認めてくれそうな気がする。
 確かな根拠がある訳じゃない。ただ、彼の寡黙な優しさを昨日も今日も見てきたから。
きっと真摯に受け止めてくれて、何かアドバイスをくれると思った。

「あっ、その、まだ決めた訳じゃないんですけど……願い事だって決まってないし……。
ただ私もマミさんや冴島さんみたいに誰かの助けになれたら、
黄金騎士みたいにかっこよくなれたら、輝けたなら……それくらいなんです、私の願いなんて。
強くなりたいって言うより、胸を張って誇れる自分になりたいって言うか。
だからキュゥべえと契約して魔法少女になることで叶えられるなら、私も……」



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