過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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37: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/04/02(月) 00:13:44.85 ID:qak/jpDJo

「あれは……!」

 どんなに離れてもわかる金色の輝き。轟天とガロが変わらず、そこに立っていた。
 悠然と、雄々しく。
 共に黄金の鎧に一点の傷もへこみもない。少なくとも、ここから見る限りでは。

 上から触手が叩きつけられた瞬間、衝撃に備えていたガロは轟天を走らせた。
 唯一の武器を投げたガロは、マミを逃がし、自分は黄金の鎧の防御力と轟天を信じたのだ。
 激しい一撃は轟天を一瞬で地上に叩きつけたが、その蹄は確と地を踏み締め、蹴り出し、
その身とガロが圧砕される前に滑り抜けた。

 まさしく刹那の攻防。
 マミを斬馬剣まで投げ飛ばさなければ、もっと安全に切り抜けられただろうが、
魔女との戦いは振り出しに戻っていた。それも重傷のマミを抱え、剣を手放した状態でだ。

 だからこそ魔女を倒す最大の好機を逸したくなかった。
 そして、それもマミが戦う意志を示したからこそ。
 マミは瀕死の状態にありながら、魔女を倒す千載一遇のチャンスに賭けた。

 言葉を通じなくても、互いの意思を汲み取ることができた。
噛み合わなかった歯車が、この瞬間だけは確かに合わさっていた。
 互いが為すべきことを為す。故にガロはマミに、マミはガロに託したのだ。

 しかし極限の状況が過ぎてしまえば、再び心はすれ違いを始める。
 マミは口元を小さく綻ばせた後、目を細めた。嬉しいとも、悲しいともつかぬ表情。

――あんなに反発していた私を救っただけでなく、信じ、命まで託した。
やはり彼が、私が逢いたくて、逢えなくて、逢いたくなかった本当の戦士なのかしら……。
でも、だとしたら私は……私の価値は――




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