過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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58: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/04/07(土) 02:26:01.91 ID:7tfJJhllo


「覚えておくことね。正義の味方は、絶対に私たちの味方にはならないと」


去り際にそう言うと、最後にマミを一瞥して言葉を放つ。

「あなたなら、その意味がわかるでしょう?」

 マミの虚ろな目が、徐々に見開かれる。
 マミの中で、すべてが繋がった。
自分が鋼牙に抱く想いの名前も、さやかのように彼に縋りたくない、縋れない理由も。

――彼は……黄金の光は私の形を照らし出す。欺瞞に満ちた虚像を暴き、その実、矮小な正体を曝け出す。
 そう……私は、彼に嫉妬している。黄金の光は、暗闇に迷う人間にとっては、さぞ美しい希望の灯に見えるでしょう。
でも、暗闇に慣れ切った私には眩し過ぎる……。闇に潜む獣が陽の下に出られないのと同じ。
だから私は、あの光を二度と見たくないと思ってしまう。だって太陽を直視すれば、きっと私の目は潰れてしまうから――
 
 すべて理解したマミは蚊の鳴くような震える声を、

「ええ……。そう……かもしれないわね……」

 とだけ絞り出した。
 伝わったのかどうかは定かでないが、ほむらはマミを顧みることなく去っていった。

 疑惑はほぼ確信に至った。
 正義の味方は、私たちの味方にはならない――これが意味するものは、ひとつ。
魔法少女が、いつか人に仇為す存在と化すから。

――暁美ほむら。もしかして、あなたも私と同じ気持ちを抱いたの……? 
いつか魔法少女は魔女になる。
だとすれば彼と私は……私たちは相容れない存在なのだと――




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