過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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633: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/01(月) 02:54:58.52 ID:RipvUQ6So

「ふん、んな見え透いた挑発に引っ掛かるかっての」

 言って、杏子はそっぽを向いて考え込み始めた。
 零の思惑、予想される危険、自分の得るメリット、デメリット。
それらを考慮し、安易に惑わされることなく断を下す為に。
 真剣に悩む余り、唇の横にクリームを付けたままの姿は、なかなか愛嬌があった。

 零は軽く息をついて、彼女の決定を黙って待つ。
 彼女も、そう何度も同じ手に引っ掛かるほど馬鹿ではなかったということだ。
むしろ、そうでなくては困る。

 だが杏子は挑発には引っ掛からずとも、零の話術には誘導されていた。
 杏子は少女とはいえ、魔法少女としては歴戦の兵。
相手にもよるが、その戦闘力はホラーにもひけは取らないだろう。
ソウルメタルの問題さえなければ、勝つ目は充分にある。

 故に、修業時代の零がホラーに苦戦したことと同列に語れはしない。
零もまた、戸惑いこそしたものの、初戦で魔女を破っているのだから。
 そんな企みを知ってか知らずか、杏子は口の端のクリームをぺろりとなめとり、挑戦的な笑みを浮かべた。

「ま、あんたが何を考えてるのか知らないけど……いいよ、やってやろうじゃん。
この街でかち合う可能性が高いってんなら、
ホラーがどんなものか、いっぺんやりあっとくのも悪くないかもね」

「そうこなくっちゃ」

 零もニヤリと笑って指を弾く。
 すると途端に、杏子は表情を硬化させた。
思い通りと言わんばかりの反応が気に入らなかったのだろう。



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