過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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638: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/01(月) 03:08:39.96 ID:RipvUQ6So

「……そういうもんなのか?」

 零の返答は、どこか疑わしい。疑わしいが、杏子には真偽を確かめる術がない。
半信半疑でも従うしかない。
 きっと零は、この迷いも見抜いている。だから今も、わざとらしい笑みを浮かべているのだろう。

「そういうもん。それじゃ頼んだぜ」

 言って、零は杏子の背中を叩いて立ち上がった。
 遂に作戦決行、なのだろうか。自分はまだ、心の整理がついていないのに。
 
「おい、どこに……」

「さっきのあんこちゃんの動きで、勘付かれたみたいだからさ。
早めに動かないと、連れの女に手を出すかもしれない」

 いよいよ時間がない。
 心に起こった細波は徐々に激しくなる。
 杏子の瞳は目に見えて揺れていた。

「ああ、大丈夫。会計なら済ませてあるから」

「じゃねーよ……! そうじゃなくって……」

 言い淀んだ杏子は頭を掻きむしって煩悶とした。

――くそっ……何をやってんだ、あたしは! 頭ん中がグチャグチャで、考えがまとまらねー。
でも、違う。それだけじゃない。
あたしは迷ってる。あたしは……何を言おうとしてんだ?――



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