過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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663: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/09(火) 03:04:56.01 ID:PFShUIago

 言うが早いか、命が一歩、後退る。しかし零には、それ以上は視認できなかった。
何故なら、視界を完全にイスが覆っていたから。

 命は足でイスの脚を引っ掛け、零に放ったのだ。
そこそこ重い木製のイスを瞬時に顔の高さまで、一切の助走も振りもなく。
 
 戦闘開始の合図。いや、ただの戯れだ。
 あまり本気にさせて、ここで戦闘は避けたい。
 ならば、ここは無理に捕らえるには及ばないだろうか。

 彼女は敵を殺して終わりではない。
魔戒騎士を返り討ちにした後、これからも人に紛れて人を喰っていかねばならない。
衆人環視の中で派手な真似はできないはず。まして正体を晒すなど。

 ではどうして、こんな目立つ行動を取ったのか。
 考えられるとしたら、まずは逃走の時間稼ぎ。
 先手を取られた不利な状況を覆すべく、仕切り直しを試みるとしたら。
 極端に気配を辿り辛い街で、潜伏されれば探し出すのは至難の業。必ず誰かが犠牲になる。
 ならば――。

 刹那の間に状況判断を済ませた零は、迫るイスを掴んだ。
 勢いを殺しつつ背後に受け流し、放す。
同時に、もう片方の手を伸ばすのも忘れない。
  
「はい、捕まえた」




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