過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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728: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/27(土) 03:06:16.21 ID:U5eNztmHo

 命が零に突進し、フォン、と風を切りながら左足が振られる。
 零は後ろに下がろうにも、微妙に挙動が遅れるのを感じた。
傷付いた右肩と右腕が思うように動かず、体捌きに違和感を生じさせるのだ。

 回避の遅れた零の脇腹に、回し蹴りが突き刺さる。
 
「がっ……ぁああっ……!!」

 耐え難い苦痛に呻きが漏れる。
 が、声を発したのは零でなく命。
 命の足は、零の右腕で使える唯一の部位、肘と膝の間で挟み潰されていた。

 零は回避を捨て、カウンターに賭けた。
結果的に成功したものの、かなり際どかった。
 脇腹が疼くように痛い。確実に決める為に、引き付けたせいだ。
それでも、片足に傷を負わせたのだから安いもの。 

 と思いきや、足を戻した命は、痛む左足を強く踏み込み、もう一方を突き出した。
 その目に油断はなく、あるのは本気の怒りだけ。最早、軽口を叩く雰囲気はない。
 再び繰り出された蹴りは、槍と見紛うほどに鋭く、素早い。

 その速さ故に際立つ風切り音。
 攻勢に転じる瞬間の呼吸の変化。
 闇に慣れた目は、数メートルなら難なく見通す。
 何より命が放つ殺気が、おぼろげながら攻撃の流れを伝えていた。

 右足からの蹴りを半身ずらし、回避。
 コートの裾を払いながら空を切る足が戻るよりも先に距離を詰め、左腕を振るう。
 軽いジャブを数発。それでも、鍛え抜かれた肉体から放たれる拳は重い。




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