過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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800: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/11/26(月) 02:34:44.93 ID:DfgLvHbDo

「終わったら決闘でもご馳走でも付き合うからさ。な?」

 そんな気持ちもあったからか。
 迷っている暇がなかったからか。

「っ〜〜たく……30秒だけだ。ひとつ借しだからな!」
 
 杏子はガシガシ髪を掻いた後、人差し指を立てた。
 相変わらず、本気の戦いと食事の奢りを同列に語るあたり、
余裕っぷりが垣間見えて気に入らないが。

 杏子の答えに満足したのか、零はまたも口元を僅かに歪め、鷹揚に言い放つ。

「そうこなくっちゃ」

 その一言が引き金だった。
 二人は弾かれたように飛び出した。 
 零は右へ。
 杏子は前へ。

 跳び上がった零の足が壁面を踏み締める。
 零の目的を悟ったモロクの右腕はさせまいと動くが――。

「ほらほら! テメーの相手はこっちだ!」

 振り下ろしながら鎖を伸ばした槍に薙ぎ払われる。
 右手を叩き落とした杏子は槍を縮め、流れるように斜めに斬り上げた。
 魔法の刃は魔獣の皮膚を走り、浅く裂いた。




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