過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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880: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/12/11(火) 02:56:01.73 ID:mzUXsX6Bo

 それだけは我慢ならなかった。
 一方的な希望に縋るつもりも、屈するつもりもない。そして絶望も御免だ。
 こんな幸せな幻にも心惹かれたりするものか。

――あんたの力は……借りない!

 声にならない言葉を、瞳に込めて伝える。
 届いたどうかは、どうでもいい。
 その意地を嘘にしない為にも、やるべきことがあるのだから。

 なんとか立ち上がった杏子だったが、無重力の空間に放り出されたような錯覚に陥った。
 敵はおろか、立っている床さえも認識が難しい。柄を支えにしてもなお、足元が覚束なかった。
 こんな状態では攻撃どころか防御も不可能。
 たった一瞬でもいい。敵を捉えるには、強い刺激が必要だと考えた。
 
 杏子は意を決して、刃を下に向けて槍を持つ。  
 振り下ろす先は、杏子が唯一認識できる対象。

 己の身体。



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