過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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996: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2013/02/11(月) 01:21:32.12 ID:YBVQg99/o

 では何故、何が変わったのだろうかと考える。
 原因はすぐに思い当たった。

 たぶん、ホラーに見せられた幻。
 炎と氷。現実と虚構。
 相反するふたつが溶け合う中で、杏子はまざまざと見せつけられた。

 まずは二人の男女が愛し合う光景。
 二人は幸せそうだった。
 自分には手に入らない幸福だが、妬む気が湧かなかったのは経験のなさ故か。
最初こそ理解が追い付かなかったが、次第に悪い気はしなくなった。 

 公園、レストラン、コンサートホール、二人の部屋、ベッド。
 どこでも二人の間には笑顔と愛の囁きがあった。
 それだけに、恋人たちの不幸、そして無残な結末には胸が痛みもした。
男の死も、女が堕ちていく過程も、ホラーに憑依される最期も。

 哀しいと思う。恐ろしいと思う。
 しかし、所詮は他人事。それだけなら、こんな気持ちにはならない。

 ホラーが見せた第三幕――いや。
 あれは本当に、ホラーが見せた幻覚だったのか。
 零に揺り起こされるまでに見ていた夢。

 同じように、ある貧しくも幸せな家庭が崩壊するまでの一部始終だった。




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