過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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123: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:43:18.98 ID:h7sEMOtHo
そこで言葉を切り、声に鉛を詰めたような重みが注がれた。
彼女を押し倒した姿勢のまま至近から放たれた声は、潰れるように重く、
表情は羅刹のごとき厳しさのまま、固定されていた。

勇者「…俺の国に、俺の国民に手を出すというなら黙ってはいない。たとえ『神』だろうと―――討つ」
以下略



124: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:44:06.99 ID:h7sEMOtHo
勇者「……何だって?」

場の空気を壊し、完全に気勢を削がれながら訊き返す。
先ほどまでの殺意が嘘のように、完全に出鼻を挫かれて。

以下略



125: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:44:48.47 ID:h7sEMOtHo
勇者「……本当に、それだけなのか?」

ワルキューレ「…そうだ」

勇者「…………」
以下略



126: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:46:03.60 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「……ば、莫迦にしているだろう!?」

勇者「…………」

ワルキューレ「頼む、何か言ってくれないか」
以下略



127: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:46:30.75 ID:h7sEMOtHo
勇者「……」

ワルキューレ「……さ、最後まで言えというのか?」

勇者「いや、言いたい事は分かる。分かるんだが」
以下略



128: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:47:45.09 ID:h7sEMOtHo
勇者「何故だ。俺は、『淫魔の王』なんだぞ。なぜ……そんな事が言えるんだ?」

ワルキューレ「貴公を、もっと知りたいと思った。人の身でそこまで練り上げるに至った、物語を」

勇者「……『主神』はどうなる」
以下略



129: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:48:20.68 ID:h7sEMOtHo
言って、勇者は身を起こす。
押し倒し、鼻先が触れ合う距離、吐息がくすぐったく感じるような距離から離れる。
その刹那、彼女がどこか名残惜しそうな表情をしたが、彼は気付くまいとした。
気付いてしまえば――欲望のままに彼女を貪り、荒淫に耽ってしまいそうだったから。

以下略



130: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:49:19.38 ID:h7sEMOtHo
勇者「いや、そう言うのはずるいだろ」

ワルキューレ「……」

勇者「別にお前がどうとかいうんじゃなく……その。『客人』に手を出すのもどうかと思ってだな」
以下略



131: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:50:09.58 ID:h7sEMOtHo
翌朝

勇者「……なんてやり取りしてたのに。いざって時に」

ワルキューレ「……ぅ…」
以下略



132: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:50:38.00 ID:h7sEMOtHo
堕女神「……陛下、お目覚めですか?」ガチャ

勇者「ああ、起きてるよ」

堕女神「…『ゆうべはおたのしみでしたね』」
以下略



133: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:51:06.34 ID:h7sEMOtHo
堕女神「失礼します、陛下」コンコン

勇者「早いな、おい」

堕女神「彼女の部屋とベッドを暖めました。それと、陛下の朝食の準備が整っております」
以下略



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