過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:06:12.41 ID:h7sEMOtHo
夕餉を終え、しばし休息した後、彼の部屋を訪れる者があった。
ノックの音に勇者は読みかけていた本を置き、入室を促す。
勇者「……入れ、堕女神だろ?」
以下略
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:06:39.84 ID:h7sEMOtHo
その姿勢のまま、殊更にゆっくりとベッドへ近づく。
一歩ごとに、彼女の表情が崩れていき、歓喜と熱情に中てられていった。
尻に感触を覚えた頃には、既にベッドに横たえられていた。
膝裏と背中の温もりが消え去るが、喪失感は無い。
何故なら、目の前に――覆いかぶさるように、包み込むように彼の存在があったからだ。
以下略
154
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:07:31.36 ID:h7sEMOtHo
―――――4時間後
勇者「………酷すぎる」
堕女神「は…?」
以下略
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:09:05.62 ID:h7sEMOtHo
勇者「何だ、気になるのか」
堕女神「……秘密と仰るのなら、それでも」
勇者「いや。……簡単な問答だよ。そして答えを持っている者はいない、な」
以下略
156
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:09:48.12 ID:h7sEMOtHo
勇者「随分と、人間を買うんだな」
堕女神「今でも、私は人間達を愛していますよ。……貴方が、教えてくれた事です」
勇者「あぁ。……そうだった、な」
以下略
157
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:10:43.33 ID:h7sEMOtHo
朝がやってきて、いつものように起きるとまず彼は、傍らで寝息を立てる堕女神の顔を見た。
サキュバスAと同じ、安心しきった寝顔。
いつか宿敵が語り聞かせた様子に同じ、人界の美女が霞んで見えるほどの美しさ。
長い睫が揺れ、やや厚く艶めかしい唇は僅かに開き、甘く馥郁とした寝息が漏れる。
仰向けの勇者の右胸にしがみ付くような姿勢で、押しつけられた乳房は彼の胸板に当たって形を変えていた。
以下略
158
:
◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:11:10.22 ID:h7sEMOtHo
堕女神「……お見苦しい所をお見せしました」
勇者「いや、全然」
堕女神「下拵えは済ませてありますので、すぐに朝食の支度をいたします」
以下略
159
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:11:41.24 ID:h7sEMOtHo
着替えに袖を通し、腰に剣を差して、再びワルキューレの部屋へ向かう。
扉の前にいたメイドは、彼女が先ほど目を覚ました事を勇者に伝えた。
ノックすれば、中から、控え目な、それでいてよく通る声で返事がされた。
勇者「入るぞ。……何だ、元気そうだな」
以下略
160
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:12:33.12 ID:h7sEMOtHo
勇者「…何だって?」
耳を疑うような言葉に、勇者は反射のように問い返す。
冗談を言っているふうではなく、その証に、まっすぐに目を見てそう言ったからだ。
以下略
161
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:13:03.80 ID:h7sEMOtHo
女が自らに根差す本音を吐き終えると、やや黙って聞いていた勇者がおもむろに口を開く。
不快感もどこへか吹き飛び、彼女を見直したような態度がどこか感じられる。
流石に天上の女戦士、と言おうか。
嘘偽りはなく、誇り高く、蒼穹のように澄んだ目を微塵も動かさずに一連の言葉を語っていたのだから。
以下略
162
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 04:13:44.34 ID:h7sEMOtHo
その言葉は、彼の心を射抜いた。
人間の「上限」へと達して停滞した力を持つが故に。
彼女がこれから積み重ねれば、彼の密かな、押しつけともいえる願望も叶うかもしれない。
勇者「…ち。そこまで言われたのなら、駄目とは言えないだろう」
以下略
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