過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 02:44:34.71 ID:h7sEMOtHo
試すような言葉を投げかけ、すぐにサキュバスAの眼は嗜虐を帯びて輝く。
真っ赤に焼けた鏝の先端は、ワルキューレの胸から下腹部にかけて彷徨う。
その度に反応を示し、明確な恐怖に瞳孔が広がっている。
今、彼女は何に震えているのか。
冷えた地下室で、それでも寝ているところに冷水を浴びせられた事にか。
あるいは、恐ろしい未来を予見しての、魂の震えか。
後者であろう、と心を浮き立たせながら、なおも楽しむように淫魔は続ける。
サキュバスA「……ほらほら、押し付けちゃいますわよ?……内腿、というのもいいですわね。
神経が集まっていて、きっと凄く熱く感じると思いますわ。それとも、……顔?」
振れ幅が大きくなり、太ももから顔まで、焼き鏝が揺れ動く。
顔に近づいた瞬間、ワルキューレは可能な限り遠ざかろうと顔を動かす。
熱という根源的な恐怖は、例えワルキューレだろうと例外なく、反射の運動を取らせる。
サキュバスA「…………仕方ないですわ。お腹にしましょう。強情な貴女が悪いのよ?」
ワルキューレ「ふん。……好きに……する…が、いい。例え全身を焼かれようと、淫魔に屈するものか」
サキュバスA「気に入りましたわ。……でも、ただそうするだけじゃ面白くありませんわね」
ぱちん、とサキュバスAが左手の指を鳴らす。
弾けるような警戒な音の直後、虚空に一匹のコウモリが現れる。
魔力で形作られたコウモリの似姿であり、足は存在せず、翼と胴体だけというフォルムだ。
しかしその動きは実際のものと変わらず、暗い拷問部屋を所狭しと飛び回る。
不規則に飛んでいたそれはおもむろに目標を据えて飛来し、ワルキューレの目元に翼で目隠しをするように張り付く。
ワルキューレ「うっ……!な、何をする!?」
ぶんぶんと顔を動かしても、コウモリは剥がれる様子が無い。
両手を頭上で拘束され、顔の近くにある上腕に押し付けて抵抗しても無駄だった。
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