4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/03/28(水) 04:37:44.36 ID:2GPEYJFx0
今日もまた、お父さんと私たちの前を、たくさんの人が通り過ぎていく。
浴びせられる、疑念、卑下、拒絶の視線。
傍から見れば、疑わしい集団を作り上げようとする変人。
純粋に優しい人だと言うことは、私たち家族が証明する。
だが、周囲はお父さんを、変人を見る目でしか見ない。
信仰者が離れていく中、ついに本部からも破門されたらしい。
私とモモには伝えられていないが、私は偶然お父さんとお母さんの会話を聞いて発覚した事実だ。
もはやお金すらなくなっていく状況、まともに生活できるのも貯蓄が無くなるまで。
がらんとした教会に用はない、だから、こうして私とモモ、お父さんは路上でお金を入れてもらう缶を持ちながら話歩いている。
けど、缶の中には小石すら入っていない。
今日もこのまま坊主で帰って行くのが悔しい。
お金がもらえないのが悔しいのではない。お父さんと言う存在に理解を、お父さんの話の素晴らしさを理解してもらえないのが悔しいのだ。
「奇跡というものは、降って来るべき人に降って来るものだ。無暗に求めるものではない」
お父さんはそう言ったが、私は、お父さんにこそ降ってきてほしい。
そう、奇跡が……。
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