過去ログ - 黒井社長「行くぞっ!!青二才っ!!」(アイマスSS)
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2012/03/29(木) 13:17:21.05 ID:lnWJ8GSr0
「いやあ、これが世間でいうところの『らぶれたー』っていうやつですかなあ。新婚当時を思い出しましたわ」
「あおはん、よっぽど貴音のことが好きやったんどすなあ……熱うなってきましたわあ……」
「なかなか情熱的な文章だったでしょう。この『純愛小説』をこのまま闇に葬り去るのは、あまりに惜しい気がしたものでしてな」
この記録はああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっ!!!!!!
最初はただ「元気」とか「顔色が良い」といったような簡単な文章だったのだが、段々文章が慣れて来ると『今度元気になったらこうしてやろう』
とか『こうすると機嫌がよくなる』といった、まるでデートの計画みたいになったり、体調が悪い時や苦しんでいる時は神頼みしてみたりと、まあ
そんな感じの『私情』丸出しの文章になっていたわけで……。とにかく他人に見られたら軽く[
ピーーー
]るような、少女達への俺の想いが山盛り書かれて
いるのだ。特に最後の三か月間はツキコの世話係だったので、つまり必然的にツキコへの想いが一番多く書かれているわけで。
「いつから知ってたんですか社長……」
正直一刻も早くここから逃げ出したかったが、一応聞いておく。俺はどこでしくじったのだ……
「ん?最初の救出作戦の時の医療船の中で、お前が何か書いていると報告があがってきてな。ティンときたので調査させた」
最初からかよっ!!しかも「報告させた」ってことは……
「ウチは精鋭揃いだからな。お前が記録を付けて就寝した後にこっそり部屋に侵入して転写させ、翌朝には全員で閲覧していたよ」
もう嫌だこの組織。アイツらもムダにスペシャリストっぷりを発揮すんなや。ああアジトに爆弾落ちねえかなあ。
「まあまあ黒井はんそないいけずしたらんと。でも実際、この記録は助かりましたわ」
御当主がやんわりとフォローする。
「人ひとりの人格を作るゆうんはそんな簡単なことではありまへん。自分の意思を持たない操り人形を作るのは楽やけど、『個』としての人格を
持った人間にするちゅうのが黒井はんとの約束でしたからなあ」
「人格の破壊・再生ゆうたかて、完全にまっさらにするわけではありまへん。洗脳するのに都合の悪い部分を壊し、催眠で作り出した新たな知識
を埋め込むんです。わしらかて、せいぜい50ぱーせんとくらいしかいじったことありませんわ」
「でも貴音は精神の奥深くまで浸食されていたから、助ける為には100ぱーせんと人格を作り直さなあきませんでした。ぴあのを見たことの無いよ
うなこどもにべーとーべん弾かせるようなもんどすえ。だからわたしらも最初は断ったんどす」
「でも黒井はんがこの記録を持ってうちに来た時、これならいける思いましたわ。こんな細こうに書いてあるんやったら、人格を全部消しても大
丈夫やと」
「お医者さん先生のかるてなんかより、よっぽど血の通った“ツキコ”ちゃんがここにはおりましたから。それに助けられなかった8人の女の子
達への無念さも、痛いほど伝わってきましたわ。せやからわたしらも、黒井はん達の為に力になりたいと思ったんどす」
御当主と奥さんが、治療記録を大事そうに眺めながら言った。社長が続ける。
「分かったか。お前がやってきた事は無駄ではなかったのだよ。お前の記録がなければ、そもそも四条家の協力を得ることは叶わなかった。それ
に今は『貴音』だが、あの子本来の性質やパーソナリティは、お前が見てきた『ツキコ』だ。いや、私達は四条家ほど強い精神操作が出来な
かったから、もしかしたら『月のお姫様』なのかもしれない。私達の事は忘れてしまったが、ツキコはちゃんと貴音の中で生きている。だから
胸を張りたまえ」
「そうやであおはん。この記録は家宝として、これから代々守り通していきますよって」
「買いかぶりすぎですよ社長…………それに家宝にするのは勘弁してください御当主…………」
涙が出そうになるのを必死でこらえながら俺は言った。本当にこの人達に任せて良かった。確かツキコと別れる時も必死で涙をこらえていたっけ
なあ。随分涙もろくなったな、俺。
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