過去ログ - 黒井社長「行くぞっ!!青二才っ!!」(アイマスSS)
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2012/03/29(木) 12:08:45.61 ID:lnWJ8GSr0
第一章

人身売買壊滅作戦の翌日、俺はいつもより少し早めにアジトに到着した。
昨日の事件は予想通り『高級パーティーでガス爆発か?』として処理されたようで、会場にいたクズ共が捕まることなく、オークションの事実も
無かったことにされていた。作戦の苦労を思い出すとやるせない気持ちになるが、会場の崩落に巻き込まれたクズ共が無傷なわけがなく、過半数
が病院送りになったそうなのでそれで良しとする。こっちだって大変だったんだ(おもに作戦終了後の社長とのハンドル争いだが。マジで死ぬか
と思った)、しばらく病院のベッドで反省してろ。

それに女の子達も誰一人傷を負うことなく、無事に助け出すことが出来たんだ。精神的立ち直るのはまだまだこれからだが、彼女たちを預けた保
護施設は腕利きのカウンセラーが揃っていて、裏社会はもちろんのこと、『表』の権力でさえ届かない絶対安全な場所である。今まで何百人もの
少年少女達を救ってきた実績もあるので、ひとまず心配はないだろう。出来れば今回のことでくじける事無く、またアイドルを目指してくれれば
「大変だアオッ!!」

俺がテレビを見ながらそんなことを考えていると、アジトのドアが勢いよく開いて同僚のひとりが飛び込んできた。ちなみに社長が俺の事を青二
才と呼ぶので、同僚も皆「アオ」と呼ぶ。ちくしょう。

「どうした朝から騒々しい。社長ならまだ来てないぞ」

ちなみに俺は一応社長の秘書なので、社長への連絡は基本的に俺を通して行われている。

「そ、そうか。ならばちょうど都合が良い。お前の口から言ってもらった方が色々助かる……」

後半しどろもどろになりながら、言いにくそうにボソボソ話す同僚。何だか嫌な予感がするぞ……

「おいおいどうしたんだよ、まさかブラックサンダーの買い置きを切らしたんじゃないだろうな?」

勘弁してくれよ、どやされるのは俺なんだぜ。しかし事態はもっと深刻だった。

「保護した少女がひとり脱走したっ!!」

な、なんだって―――――――――――――――っ!!

「ついでにブラックサンダーの買い置きも切れてた……」

こりゃあクビじゃ済まないかもしれないな……ついでにすぐにコンビニ行って買ってこいボケが……

1時間後、アジトに到着した黒井社長に、俺は同僚から聞いた少女脱走事件の経緯を報告する。

事件の概要はこうだ。昨日救出された女の子達は、保護施設に送られた後に専門のカウンセラーによる簡単な問診を受け、それからそれぞれ個室
で寝かされる手筈になっている。精神的にも肉体的にも疲弊した彼女たちにまず必要なものは休息であり、睡眠薬を投与してでもまずは寝かしつ
けるのだ。彼女たちが施設に到着したのが深夜0時を過ぎていたこともあり、とりあえず寝かせて本格的な治療は今日から行う、という予定に
なっていた。で、例の脱走した少女も何の問題もなくカウンセリングを受け、睡眠薬を使う事もなく大人しく就寝したそうだが、翌朝見ると部屋
から忽然と消えていたそうだ。しかも自分がそこにいると見せかける為に、自分の髪をまるまる切り落とし、布団からちょろっと出して偽装して
いたという念の入れようである。

「……ふむ、それでは施設に到着して、部屋のベッドに寝かしつけるまでは何の問題もなかったという事は確認したのだね」

「は、はい……脱走した『少女A』は、保護された女の子達の中でも比較的落ち着いており、施設の職員の言う事も素直に聞いて早々に就寝した
 そうです」

社長はブラックコーヒーを片手に、窓の外を見ている。こちらからその表情をうかがい知ることは出来ないが、背中から真・豪鬼のような黒い
オーラが溢れている。やべえ、瞬獄殺で俺死ぬかも。あ、社長が繰り出せば瞬“黒”殺になるのかな。ハハハ……

などとどうでも良いことを考えていた。そろそろ手に持っているブラックコーヒーが沸騰しだすぞ……なんて考えていたが、社長の反応は意外な
ものだった。

「その『少女A』は、昨日8番のタグを付けていた子ではないかね?」

「えっ……?、少々お待ちください」

慌てて脱走した『少女A』のデータを確認する。救出したのが昨日なのでまだ彼女たちの詳しい個人情報は知らず、身体的な特徴くらいしか記載
されてないが、確認すると確かに8番のタグが付けられていた女の子だった。




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